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”小児がんを語る”

様々な立場で小児がんと関わり、向き合った方の思いを綴った”小児がんを語る”。
ご本人にとっての「日常の中での小児がん」を語ります。

第5回 大学生(第9期ゴールドリボン奨学生)

谷口 拓磨 さん 「2つの夢を目指して」

【プロフィール】

福祉社会学部で社会福祉を学ぶ大学1年生。0歳で神経芽腫と診断され入院治療を経験し、現在は小学生時代に出会った車椅子バスケットボールと勉学との両立に励んでいる。2023年度のゴールドリボン奨学生。両親と妹の4人家族。

車椅子バスケとの出会い

私は生まれてすぐに高熱が続き、病院で検査したところ神経芽腫が見つかりました。その後、手術を行い成功はしたものの、下肢と排泄・排尿機能に障害が残り、現在は車椅子で生活しています。

小さい頃は友達が外で遊んでいるときも、家でゲームやおもちゃで遊ぶなど、家に引きこもりがちな生活でした。そんな生活が続いていた小学4年生のときに、当時通っていた福祉施設の紹介で車椅子バスケットボールに出会いました。

最初は上手く車椅子が思った方向に進まなかったり、シュートが届かなかったりと、苦戦はしたものの、車椅子のスピード感や車椅子同士がぶつかる迫力、シュートを決めたときの達成感に魅了され、地元のチームの練習に参加するようになりました。

大学に進学した現在も、地元のチームで車椅子バスケットボールに取り組んでいます。この競技を続けていき、パラリンピックに日本代表選手として出場し金メダルを獲りたいと思っています。それは、障害があっても夢に向かって努力する自分の姿を見てもらうことで、私と同じように障害がある人にも、熱中できることを見付け、少しでも前向きな気持ちになってもらいたいと思うからです。

そのために、現在は自分で車を運転し、週2回のチーム練習だけでなく、県外の練習会に積極的に参加し、練習量を増やしています。その成果もあり、九州選抜として出場したアジア大会ではオールスター5に選ばれることができました。

迫力あるプレーの様子

さらなる夢を目指して

私にはもう一つ夢があります。それは、進学した大学で、社会福祉について勉強して社会福祉士の資格を取得することです。きっかけは、養護学校を卒業した後に大学で福祉について学んでいる先輩から話を聞いたことでした。先輩の話を聞き、私も福祉について学んで、障害があることで困っている人の力になりたい、と思うようになりました。

前述したように、私が車椅子バスケットボールに出会ったのは、ある福祉施設が紹介してくれたことがきっかけでした。小学生のときに、車椅子バスケットボールに出会っていなかったら、私は夢中になれるものがなく、今のように前向きではなかったかも知れません。

そう考えたとき、私も障害のある人の相談にのり、必要な支援を受けることや生きがいを見付けるサポートをしていけるような仕事に就きたいと思いました。そのために、大学で社会福祉について深く学びたいと思っています。

自分の病気について知り、向き合った小学生時代

私が自分の病気について知ったのは、小学生の時でした。小学校の授業で自分が生まれた時の写真を家から持ってこなければならない宿題があったときに、機械を体につけて病室にいる様子を写したたくさんの自分の写真をみて、自分がどのような経緯で車椅子の生活しているのか不思議に思い、親に聞いたのがきっかけでした。

小学校から中学校までは、エレベーターなどのバリアフリー設備が備わった学校が家の近くにあったため、普通の小・中学校に通っていました。その中で、運動会や持久走大会などほかの友達より劣ってしまう行事もありましたが、先生方のサポートもあり、自分なりに行事に参加することができました。

生後まもなく入院中のとき

これからの社会への想い

大学に入学した現在の悩みとしては、車椅子を使っている自分には、アルバイト先を見つけることが難しいことです。両親からお小遣いはもらいますが、大学や練習場所までの交通費などもあり、プライベートなどに使えるお金が限られてしまいます。

これから、パラスポーツが身近になる社会だけでなく、誰もが不自由を感じることなく生活できる社会に近づくことを願っています。

筆者が描いた「車イスバスケ」

谷口さんのこちらの絵画とその想いを、メタバース美術館と、本ウェブサイト作品展ページでご覧いただけます!

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