「Gold Ribbon Month 2022 作品展」は、「世界小児がん啓発月間」(9月)に合わせ、小児がんの子どもたちとその支援のシンボルマークであるゴールドリボンのことを広く知っていただくことを目的に当法人が開催するイベントの一つです。
2022年は「たいせつなもの」というテーマで、14名の小児がんの患児および経験者の子どもたちが作品を制作してくれました。作者それぞれの「たいせつなもの」を通して、小児がんと向き合ったその想いを感じていただけたらと思います。
各画像の上にカーソルを置くと、作品のタイトルと説明の序文を見ることができます。各画像をクリックすると、作者の個別ページに進んで作者や作品の詳しい説明や、インタビュー動画(該当者のみ)をご覧いただけます。
3歳からピアノを練習しています。
病気になってから、手術して抗がん剤をして放射線治療をして、辛い治療もやっと終わったのに
退院してからも、再発していないか今も常に検査を続けなければならないし、治療の後遺症や脳の障害などで、できないこともたくさんあります。
どんなに頑張っても、なかなか理解できなかったり、覚えることも難しくて、周りの人に馬鹿にされたりすることもあります。
病気にさえならなければよかったのに。
勉強はできないけど、ピアノだけは毎日練習をがんばってきました。
いろんな人の前でピアノを演奏して、一人でも多く僕のピアノを聴いて喜んでもらえるように、もっともっと頑張って上手になりたいです。(本人)
わかちゃんは、12歳の誕生日の2022年4月8日に、絵本「ビーズのおともだち」を出版しました。治療をがんばってもらった 宝物のビーズが、ある日妖精さんになるお話です。手術をがんばってもらった星のビーズは、キラちゃんに変身!読書が好きで、や さしい歌声を聞かせてくれる妖精です。 そんなキラちゃんが歌ってくれた歌を、わかちゃんと妹でデュエットしてみました。作詞は絵本の文を担当してくださった大川 さん、作曲はそのご主人の遠藤康之さんによるものです。動画イラストは、わかちゃんがiPadで描いた星座の妖精です。みんなの健 康を祈って、アマビエ様も登場しています。もちろん、キラちゃんも。
わかちゃんの世界を、お楽しみください。(保護者)
病気のために小4の冬から500日以上、学校を離れました。復学の際に「病弱・身体虚弱」の特別支援学級設置を教育委員会に要請しましたが、断られました。それでも、保護者が粘り強く交渉した結果、紆余曲折、やっとのことで元々通っていた小学校に特別支援学級ができ、6年生の10か月間を過ごしました。
急遽、担任をしてくれたのは、特別支援学校を退職して学校を離れていた大ベテランの先生です。20代の若い支援員さんも加わり、子どもと3人で豊かな時間を過ごすことができました。 帽子をかぶっている小さなどんぐりが患児自身です。リハビリとしてボール投げをして、支援員さんが受け止めています。後ろの机で連絡帳を書いているのが担任の先生です。クルミの実を選んだのは、大きな心と頼りがいのある強さを表したかったから。ちょこんと置いてある椅子は、患児のために用意された、肘置き付の児童用椅子です。毎日、温かい心で子どもに向き合ってくださったことが、作品から伝わってきます。
子どもの、大切で大好きな教室です。(保護者)
毎週日曜日、手芸の先生がわが家にやってきます。この2時間が一週間の中で私は一番好きな時間です。
手芸を教えてもらい、今までたくさんのフェルトマスコットを作りました。そのなかでもこの猫はとてもかわいくて大好きな宝物です。
でっぷりしたところが昔のお兄ちゃんに似ていると先生もママも大喜びでした。昔のおにいちゃんは写真でしかみたことがないけれど、みんなが喜んでくれて私もとても嬉しい気持ちになりました。
私にとって大切な大切な時間が手芸部の時間です。
これからもたくさん作品を作っていきたいです。(本人)